Kyoukasyo Mondai [sokuhou1]

社団法人日本てんかん協会機関誌「波」第17巻8号 1993年8月


【緊急速報】

来年度より使用予定の高校国語教育の不当な表現に対し抗議行動を起こす。

来年度より使用予定の高校の国語教科書の中に、てんかんに対する誤解と偏見を基礎に作られた作品が所戴されていることが判明し、協会は緊急に強力な抗議行動を行いました。取り組みは始まったばかりでありますが、マスコミにも大きく取り上げられたこともあり、7月16日現在までの経過につき、とり急ぎご報告いたします。

●迅速な対応のスタート
7月1日、協会(本部)に千葉県の公立高校の国語教師より、問題の指摘のお電話がありました。翌日、この教科書とその原文を入手した結果、その表現のあまりのひどさに驚愕しました。そのため、迅速で強力な対応が必要と判断し、高橋会長にファックスでその文を送信し、指示を仰ぎました。また内容を考慮し、河合逸雄先生(国立宇多野病院院長・日本てんかん学会法的問題検討委員会委員長)にも送信しました。

事務局より連絡を受けて会長は、すぐに抗議の「声明」を出す必要があると判断し、その可否と<文案>への意見を求めて、7月5日に役員へ文書を出しました。これに対し、各役員より問題への共通認識と、それゆえの行動への賛同の意見、そして「声明文(案)」 への提案が寄せられました。役員よりの返答を受け、次ページのとおり正式な「声明文」が作成されました。そして7月8日、左ページのとおりの「抗議文」を、出版社(角川書店)に配達証明にて送付しました。また、協会の各「支部」に対して、各地での行動を依頼しました。

●緊急な行動の必要
しかし、事態は緊迫していることが判明してきました。来年度の採用に対し、地方によっては19日までに決定する。校内の決定はもっと早い、ということが、各地の理事からの連絡で分かったのです。そのため、緊急な行動が必要と判断しました。

協会は、13日に行動を起すことを決定し、文部省の記者クラブにて記者会見を行うとともに、可能な限りの行動を各地の「支部」で取り組みました。記者会見には、鈴木副会長以下五人の理事と「東京都支部」から6人の世話人と会員が出席しました。テレビカメ ラの強いライトを浴び、多くの記者から質問を受けました。その様子は、夕方のニュース報道で、全国に放映されました。また次の日の朝刊では、朝日、毎日、読売、日経の各紙で全国的に報道され、共同通信の配信によって各地の地方紙にも掲載されました。次のページは、毎日新聞の記事です。

各地の「支部」は、教育長へ「声明文」を持参し、抗議・要望活勤を展開しました。協会(本部)の把握では、14日だけでも8都道府県が取り組みました。その行動は、各地の新聞に大きく取り上げられました。「東京都支部」は、都内の約五百の公私立商校すべてに、要請状を送付しました。

また、角川書店の顧問弁護士の代理人より連絡があり、協会から経過報告を伺いたいという申し出がありました。そのため16日、代理人の事務所に松友常務理事と吉田監事(弁護士)そして田所事務局長が出向きました。意外なことに事務所には、角川書店より総 務部長を含めて3人が出席しました。協会は問に応じて、会の概要、「てんかん」の説明そして今回の抗議の主旨等を説明しました。

そして、その日の午後二時より、文部省の教科書課の担当官(2人)へ抗議・要請を行いました。協会からは、高橋会長、鈴木副会長、松友常務理事そして田所事務局長が出席しました。協会からは、「抗議文」の背景および趣旨について詳しく説明するとともに、 行政の適切な対応をお願いしました。しかし、教科書検定制度の説明に留まり、角川書店の出方待ち、という回答に終始しました。(文責/松友)


Last Updated Sep.24.97
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