就職を考えるとき


あどばいす134 日本てんかん協会機関誌「波」9月号27ページ(1995)から
Last updated Jul.8.2001
Jul.8.2001からのこのページへの訪問者数は 人です

【相談】 就職を考えるとき

会社に勤めていたのですが、先日会社で発作を起こしましれその後何 となく周囲の雰囲気が変わったような気がし、上司にはもっと向いている 仕事にしたらどうか等と言われます。直接辞めるように言われたわけでは ありませんが自分でもやりづらく退職をしてしまいました。これまでにも 同じ様な事で2,3回退職をしています。これから仕事を探すのですがどの 様に探したらよいのでしょうか、よい方法があったら教えて下さい。(本人)


【アドバイス】 静岡東病院医療相談室 原田まゆみ

 会社で発作を起こし、職場の雰囲気が変わったという話はときどき聞きます。職場の 人が発作に遭遇し、対応がわからず混乱してしまうのもやむを得ない事でしょう。また 発作後職場で気を使われ、その雰囲気が気詰まりという事もあるかもしれません。しか し、病気について説明し、発作時の対応を告げる事で理解をしてもらう事は勇気のいる 事ではありますが大切だと思います。自分で話す事が難しければ、主治医や病院の相談 室などに協力してもらいましょう。状態を理解し職場で受け入れてもらうためにはそれ なりの努力も必要です。まずは諦めずに理解してもらうため努力してみましょう。

 さて、そうは言っても職を失ってしまう事もあるかもしれません。では仕事を探すと きにどんな事を考えればよいでしょうか。

 就労についての相談で「てんかんの人はどんな仕事が向いているのでしょうか?」と 質問される事があります。確かにてんかん発作があるため考慮しなければならない点は あるかもしれません。しかし、『この病気に向いている仕事』が本当にあるのでしょうか? たとえ『病気に向いている仕事』があったとしても、それが本当に自分にあっているか どうかはまた別の事だと思います。発作にこだわりすぎると、自分の希望、長所、短所 などを見失ってしまう危険があります。自分の職業適性、特徴を考えて仕事を選択しな ければなりません、専門の相談機関に相談する事で自分では気づかなかった面に気づ き、よりよい職業選択ができるようになる場合もあります。自分の状態に合わせて仕 事を考えていくために相談にのってくれる機関を利用する事もよいでしょう。公共職業 安定所では具体的に仕事業の斡旋をしてくれますし、地域障害者職業センターでは職業 指導、職業評価など様々な形での援助を受けられます、病院の相談室や保健所などでも 相談にのってくれます。

 次に、職場に病気について伝えるかどうか、伝えるとしたら何を伝える必要があるか きちんと考えなければなりません。病気のことは必ず伝えなければならないわけではあ りません。病気の状態やおかれている状況によって違います。いずれにしろ自分自身の 発作の状態…発作の型、前兆の有無、回復時間、発作頻度、誘因等の様々な特徴…を知っ ておく必要はありますし倒れる発作であれば立位での仕事は危険でしょうし、発作後に 寝てしまうようであれば先に伝えておく必要もあるでしょう。場合によっては職場環境 や勤務時間なども考慮する必要があるかも知れません。発作の状態は自分では正確にわ からない場合もあるので、主治医や家族にきちんと確認するとよいでしょう。

 発作がある事は就職する上での障害である事は事実です。しかし、発作がありなが ら働いている人も大勢います。病気があるからといって諦めてしまう事もありませ ん。相談機関や現行の制度制度を上手に活用し、就職活動を成功させましょう。


無断転載はお断りします。All copyright 2000- JEA, All Rights Reserved
[前のページへ] [JEPNETのホームページへ]