てんかん制圧運動の基本理念

社団法人日本てんかん協会 1989年1月1日

【発刊にあたって】

 日本の「てんかん制圧運動」は、1973年の6・7の両月、2つの病院の待合室で相次いで誕生した、小さなグループを母体にしています。この2団体は、3年半後の1976年10月に統合され、日本てんかん協会(別名/波の会)となり、国際障害者年の1981年2月、厚生大臣より社団法人として認可されました。その間、全国の会員は急速に増加し、ほとんどの都道府県に「地方機関(支部・支部準備会)」が設立され、組織といえるまでに成長しました。また、機関誌「波」の月刊での発行、各種「集会」の開催、多彩な悩みへの助言等を中心に、さまざまな事業を全国的に展開しています。いづれの週においても、いずこかで「協会」主催の事業が実施されるまでになりました。
 しかしながら、組織と事業の拡大は、さまざまな歪を生じることがあります。また、以前から参加している会員と、新しく入会した会員の間に、運動の進め方について、期待と認識の差がおこる可能性があります。そのため、私たちは常に、運動発足の原点を確認し、共有することがきわめて大事です。

●「基本理念」の確認の必要
 私たちは活動の中で、しばしば「てんかん制圧運動の理念(精神・思想)」という言葉を使います。例えば、「そういうやり方は、てんかん制圧運動の精神に反す。それは、やるべきではない。」というような形の表現です。その意味で私たちの会は、かなり高い理念をもった団体だと自負しています。これは、運動を発足するにあたり、あるいは2つの団体を統合する際の、 徹底的な討論の中から生み出された、基本的な合意です。誰が、なぜ、いつ、何を、どのようにするか、という倫理的な意志一致であります。それゆえ、「基本理念」と呼ぶべきものであり、運動発足の原点でもあります。しかしながら、この点に関して私たちは、書かれ印刷されたものを通して、十分に理解し確認し合ってきた、とは言い難いものがあります。

●変えてはならないもの
 この「基本理念」は、連動発足時にあるいは統合時に、すべて明確に表現された訳ではありません。その骨子は「日本てんかん協会設立決議」(別項に所載)に明記されていますが、多くは中心的な活動家の間で確認され、運動の中で肉付けされたものです。ある意味では、「基本理念」そのものが発展したといえましょう。しかし、大きく変えられたものはありません。
 私たちはいつも、運動を発展させるために、組織・事業の両面において、根本から見直す姿勢を、保持しなければなりません。必要があれば、軌道を大幅に修正することもあるでしょう。しかし、どのように見直しても、決して変えてはならぬもの、それが見失われたら、もはや「てんかん制圧運動」と呼べないものがあります。それが、「基本理念」なのであります。

●理事会で決議しました
 私たちの会が発足15周年を迎えた1988年、機関誌「波」の誌上にて、この「基本理念」についての説明が連載されました。この文を基礎に、第60回理事会(1988年11月5日)は、改めてその内容を確認し順序や表現上の修正を加えた後、私たちの運動の「基本理念」として正式に決議しました。そこでここに、会員の皆さまを始め会の内外に対し、広く提示するのであります。私たちは常に、この「基本理念」を見失うことなく、しかし時代の動きや会員のニーズに適確に対応し、大胆に前進しなければなりません。その姿勢こそが、まさに「てんかん運動の基本理念」そのものであります。

1989年1月1日
社団法人日本てんかん協会会長 永井勝実


   も く じ

てんかん制圧運運動の基本理念



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